散文
本当に必要とされたかったのか 時に一人きりになって 体中に風を吹かせて 空っぽにしたかった 誰かの天秤も どこかの背比べも 全部、巻き上げてほしかった @gaku konishi
祈りを込めたサークル 重ねたサウンド あとは光を託すだけ きみがいればいいだけ @gaku konishi
拾ったものは 輝いていたか 夜空に透かして 明日を待つ きみを思い浮かべる 水平線沿い @gaku konishi
ところどころ ほつれたままの 想いのかたち 会いたいだけでは ままならない @gaku konishi
それは瞬く間だった 自分の失敗に気づくより 朝陽の場所を見つけるより きみの笑がおに 救われた このありふれた言葉すら 救われる @gaku konishi
入口なんて なんでも良くて 今さらどこへ行こうと もう変わらないのだから 出て行く時だけ 声をかけておくれよ きみがいないのは 堪えきれない @gaku konishi
あれは春の風、 僕に季節を強いる きみを置いていけと 今も昔も変わらない @gaku konishi
吹く風の向きが違ったのだ 光差す向きが違ったのだ あらゆることに理由をつけて 交わらなかったことを 今を思うけれど 忘れてはいないか きみと僕との 本来の世界の境目を @gaku konishi
きみは嘘に寛容で 僕は嘘に不慣れだった 真実やら事実やら 紐づけられた世界が いつかきみを 縛りつけるのではないかと 気が気ではなかった そう、誰しも 本当を知り得る世界では ないと知って @gaku konishi
行かないで、と 言えるだけの立場であったか きみの背中を見るたび きみの瞳の強さを見るたび 送り出す以外の言葉が 見当たらないだけで それならいっそ 共に在りたいと行き着いた @gaku konishi
遠いとは、何か 線が引いてある先から 遠いのだったか だとして きみと僕との間の線は 誰が引いて、いつ消えるのか 僕が消しても 消えないんだ @gaku konishi
消えた波音を探して 僕はまた 風を吹かすのだ きみに届けるまでもなく 小さな小石を岸に落として 波を作るのだ きみを迎えにいくために @gaku konishi
美しい、とは 憧れも全部入っていて きみとの未来や セピアもモノクロも 想像すらも すべて、きみは美しい @gaku konishi
欲しかった言葉が なかった 期待して開いた頁には 思いを越えるものはなく そんなことに、毎日気がついて 今日もまた せっせと自分だけの言葉を 書いている @gaku konishi
今からならば まだいける などと言うから 間に合わない 僕はずっと走り続ける きみだけに 飽きもせず 息切れもせず @gaku konishi
時折りみせる淋しさよ もう強さなど関係ないのだ それだけが答えではない 見上げる星が 全てではないように 照らす陽射しが 全てではないように @gaku konishi
時折りみせる淋しさよ もう強さなど関係ないのだ それだけが答えではない 見上げる星が 全てではないように 照らす陽射しが 全てではないように @gaku konishi
仰いだところで 何もない あの青さとて 永遠には届かない でもそれでいい 何もないまま きみのいないまま 永遠など欲しくもない @gaku konishi
今からでも遅くない 未来とのはざまだと言うけれど 間に合うも間に合わないもなく 僕らはそもそも すれ違いも、交わりもないことを 今から知ると言うだけ それを知り続けるというだけ @gaku konishi
ともすれば、それは幻 さもなくば、目覚めぬ旭 僕には遠い、リラの花 願いなどあるものか @gaku konishi
いつも同じものばかり 見ているから、同じ言葉しか 出てこないのだと言われても 僕の世界の意味は きみが握っているのだから ごく自然の答えだと思うんだ 僕はきみのいる世界しか 見ていないのだから @gaku konishi
同じ方を向いて 同じ空を見ていて 行く先も同じならば 幸せかという問いに きみも同じ答えだろう そんなわけはない、と 僕らは知っている @gaku konishi
いつまでも 白いままではいられない いつかは白ではない 何かに染まるのだろうから 気の済むまで 混ざるだけ混ぜた方がいい 白だけが 純粋なわけがないのだから @gaku konishi
袖先についた綿毛の幼さよ 僕には到底届かない ところへ どうかどうか、 @gaku konishi
自分で伸ばした腕が 案外遠くまでいくのだと知った だのに、どうして 届かぬものが多すぎる @gaku konishi
ほんの少し 星の流れに遅れをとった 正解よりも真実を 微睡みよりも宵闇を 今の僕には 立ち上がる力を @gaku konishi
こぼしたままでも いつかは乾いて消えるのだ 同じ場所には留まらず それが役目と言わんばかりに 涙というのは @gaku konishi
願えば叶うほど 僕の願いは才筆なく どこに漂ったままなのか かといって 取り戻せるほど 近くにはないことぐらい わかっている @gaku konishi
移り変わるのも またこれが始まりで 違えたわけではないと約束を またひとつ始まりで @gaku konishi
どんなに恵まれていようと 叶わぬこともあるだろう 後悔が、この先を生きる 重しになるとも聞いた それでもまだ これはきみの欲しい 答えではないな @gaku konishi