今日もきみに言葉を届ける

こつこつ、ぽつぽつ、小西樂より

アクリル

見送ることが出来るのは あなたがとても大人だから いくつになって どれだけだっても 僕には真似できそうにない @gaku konishi

時刻

明日を 信じていないわけでは ないけれど 信じられるだけのものが あるとも言いきれず @gaku konishi

フィルム

少しずつ小さくなれ そうして離れていくのがいい 穏やかに、なだらかに ゆっくりと 戻っておいで @gaku konishi

答えあわせ

こんなにも憧れて どうするつもりなのだ 手に入れたいわけでなく 離れられるわけでもなく @gaku konishi

カスミ

ついて行きたい つれて行きたい それなのに @gaku konishi

目覚め

遠回りをして 越えた数だけ 一番の近道だった そうだろう 答えなんて、 そんなものだ @gaku konishi

同じく

歩く先の季節から 待ち遠しいとか 待ちきれないとか 早送りして 騒めくままに 駆け出して そんな今ですら 愛おしいのだ @gaku konishi

きいと

望むものが 必ずしも 幸福とは限らないのだ わかっていても そう、わかっていても @gaku konishi

マリー

自分のためにというほど 何故だか偽善的で 誰かのためにというほど 勇ましくもなくて だからといって 脆くはないのが、いいのだよ @gaku konishi

雲雀

爪先ほどの 小さなものだと 笑っていた けれど そんな欲望に のまれたのだと 笑っていた @gaku konishi

メッセージ

時間通り 季節はいって 予定通り 取り残される 僕にはそれぐらいが ちょうどいい @gaku konishi

シーソー

数えるだけで 遠のいて 数えていけば 近くなる 振り子のように 明日の希望は 揺れているのだ @gaku konishi

ちか道

繋げたものから つぎつぎと きみへと追って 飛ぶといい 散ったとしても 欠けたとしても @gaku konishi

リトル

きみの弱いところを 見たいわけじゃない きみが弱さをみせてもいい 相手になりたいんだ @gaku konishi

ライム

誰が主人公なのだとか もういまさらに あるだけの光を あるだけの輝きを あるだけの灯火を @gaku konishi

フレーム

与えられた 言葉の数だけ そのすべてを、きみに もっと早く こうすればよかった @gaku konishi

スプーン

変わらなくてもいいか、と 風が凪いで 少し浮き足だった いつでも、今でも どこでも、そこへ @gaku konishi

満つる

迷っても 遠回りでも そんなことより 手に入れたいものが あるというのが この恋の盲点なのだよ @gaku konishi

スロー

揺れる木立の下から 見る空は あんなに遠くて どうして美しいのだろう 届きもしないというのに 伸ばす指さき @gaku konishi

文様

なくてもいいものなんて なくなった きみと出会える世界なら なくなっていいものなんて ないのだとわかった @gaku konishi

あゆみ

たとえ、切り取られた 青空だとしても こんなに待ち遠しいとは 思わなかったのだよ あの先にも 続いているのだと わかるだけで @gaku konishi

金糸雀

もうあとどれくらい 数えたところで きっと数えきれない 出会える日までも 夢の数でも @gaku konishi

航路

きみが涙を隠しても 振り返らずに進んでも 行きすぎることはない それぐらいわかってる きみが身軽に なろうとしていないことも そのくらいわかっている @gaku konishi

タイム

変わるがわる 落ちた雫の あと先に きみのしあわせを 乗せておきたい @gaku konishi

波間

揺れる草の先 聞こえる鐘の音 立ち止まったまま 明日を祈る @gaku konishi

あんず

思う通りに 願う通りに 今の光を、 きみの手に @gaku konishi

草笛

そのままきっと 行くのだろう 耳を掠める風を頼りに 言葉をなくしても それでも尚 行くのだろう 面影が灯火となって @gaku konishi

ピース

微睡みながら みる夢は 叶わぬものと聞いた @gaku konishi

添う

空の切れ目に 隠したままで 雨に流れていった 後悔などはないけれど 思慕が消えたわけでは ないのだよ @gaku konishi

あおい

背中で光る きみを象るそれは 僕に希みの持ち方を そして望みの行き先を 教えてくれた @gaku konishi